2006年1月14日

「動物の学校〈1〉犬―イヌはぼくらの友だちだ」 畑正憲

中学生の頃だったと思うけれど、ムツゴロウシリーズに夢中だった。
かっこいいんだよねえ、この人。
頭が良くて、好奇心旺盛、そしてまさにムチャゴロウと言うべき勇気と行動力。
細かい内容は忘れちゃったけど、「ムツゴロウの青春記」だったかなあ、とても感動した記憶がある。
なんの本だったか「死ぬまでに一度は人肉を食べてみたい」なんてこととかも書いてあって、この人の探求心は本物だなあと感心させられた。
たぶん、もうすでに一度くらいは試してるだろうね。

この本は、小学校高学年〜程度を対象として「犬」という動物について解説したもの。
以前に取り上げた「いのちの食べかた」もそうだが、子供向けに深みのあるテーマをやさしく書き下ろした本にはとても優れた作品が多いように思う。
ていうか、小学生程度のオイラの頭でも理解しやすいってことか。
犬という不思議な動物の起源、犬種の誕生とその意味するところ、犬を飼うということ、野良犬問題について、誤って伝えられている犬の性質・行動としつけについて、etc.etc.
真に重要な部分は繰り返し繰り返し、まだ正確な理解が難しいと思われる部分は思い切って簡略化して、あくまでも子供が読むことを前提に記されている。

ところどころムチャゴロウ的論理の飛躍に感じられてしまう箇所もあるのだが、丁寧に読むと、それは対象年齢を考慮した熟慮の末の結論の単純化だということがわかる。
ぼくは、ページをめくるたびに、ウンウンと大きくうなずかされた。
密度の濃い長年の経験から導き出されたコトバには、力強い説得力を感じる。
さらに本格的に犬に関しての考察をまとめた本が出版される計画もあるようだ。
今から待ち遠しいです。

「動物の学校〈1〉犬―イヌはぼくらの友だちだ」 畑正憲

投稿者 かえる : 11:41 |

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