2005年4月16日

PennHIPの検査

ラブに多いという股関節に関する遺伝性疾患の検査に関して、どうしたものか考えあぐねている。

その手の団体でもっとも有名なOFAのナンバー取得が可能となるのは2歳以降である。
そのため2歳になったらOFAの診断を受けることにして、その結果が出るまでの間は(筋肉がつくようには心がけてきたが)フリスビーなどの関節に負担のかかる運動は避けてきた。骨太な重量のある体型なので、スリムな犬よりも慎重になる必要があると判断したためである。
今年の夏にはその2歳の誕生日がやってくるのだが、どうも股関節形成不全などの症状が出ることはなさそうな気配である、幸いなことに。
そうなると、安くはない費用を捻出し場合によっては麻酔をかけるリスクを冒してまで、レントゲン線を浴び検査登録を行う必要があるのか?という疑問が出てきたのである。

1.良好な検査結果が得られれば安心感を得ることが出来、不安な要素が発見されれば発症の予防を心がけることができる。
2.データの登録と公開によりラブにおける遺伝性疾患の減少への貢献をすることが出来る。
(話がややこしくなるので優生思想の是非に関してはここでは触れない)
3.「おたくの犬太りすぎですよ、股関節痛めてませんか?」とか言ってくるウザイおっさん・おばはん(体型的にしょっちゅう言われます)を「OFAでGood評価もらってるんですけど....お宅は?」とか言い放って撃退できる。
4.手続きの詳細等がホームページのネタになる。

といったのがウチの場合のとりあえず思いつくメリットかなぁ。
3、4は冗談として、2に関してはどうなんでしょ?
理念はともかくとして実際の効果は現状ではとても期待できそうにない。
親犬の股関節や目の遺伝性疾患の検査が交配の大前提だ、と主張するブリーダーは多いが、所有する全犬の結果を自らのサイトですべて公表している人は見たことがない。(※追記 MARさんより「最近は検査結果の公開をしているブリーダーの方もふえてますよ」とのご指摘をいただきました)
また、OFA、BVA、PennHIP、JAHD、いずれの検査結果も(各種の検査が必須だと主張する)日本のブリーダーであればJAHDに登録公開するのが筋だと思うのだが、ラブの現時点(2005/4/16)での公開数はたったの15頭である。
そもそも情報を広く共有することが本来前提となるシステムのはずなのだが、いったいありゃなんででしょ?!

長い前置き終わり、以下が本題。
今日、フィラリアの血液検査をしたりフロントラインをもらうために、かかりつけの獣医のところに出かけた。
先生は先日病院を臨時休業にして、都内で開かれたPennHIPの講習会に出かけてきたそうである。
年内には診断資格を取りたい、と考え勉強中であるそうなのだが、その過程で5頭のサンプルが必要とのこと(たぶん実技試験のようなもの)。
(資格が取れなかった場合)正式なスコアとして認められなくなる可能性があるが、協力してもらえないか?と言われた。

PennHIPの結果はJAHDに登録することも出来る。
子犬には有効な検査方法と聞いたことがあるが、レントゲンの撮影方法はOFAやJAHDとはかなり異なるようだ。
OFAなどの非ストレス法でのレントゲン撮影では犬の状態によって麻酔をかけずに済むこともあるが、PennHIPの場合は麻酔が必須となる。

たぶんやらせていただくことになると思うのだが、やっぱり悩ましいなぁー!

投稿者 かえる : 20:05 | 今日のモーフィー/みーたん

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コメント

こんばんわん♪ MARです。

PennHIPをできる先生はとっても少ないので
がんばって欲しいですよね。

ブーは先日BVAに送りました。
結果はまだですがJAHDで登録公開するつもりです。
ブーの親元のHPでは、OFAやBVAの結果(フィンランドの監査方法もあります)を公開しています。
最近は検査結果の公開をしているブリーダーの方もふえてますよ。
JAHDの登録公開が少ないのはとっても残念なことだと思いますが、これからではないでしょうか?
JKCの会報にも陰山先生(JAHDの代表者)の記事が載りましたし、、、
そう簡単にはいかないかもしれませんが、一歩ずつ前進しているのではないでしょうか?

投稿者 MAR : 2005年4月16日 22:59

MARさん、ご無沙汰しています。

BVAに診断依頼されたとの記事は読みましたよ。
吉川さんとのやりとりも興味深く拝見しました。
OFAに比べてBVAは情報が少ないので、ぜひぜひホームページでリポートしていただけるとうれしいなぁ。

フラッシュが多用されたサイトはどうしても足が遠のいてしまうので、リニューアルされてからはあまりチェックしていませんでしたが、BANDO TARO犬舎さんではサイトで公表されているのですね。
以前にOFAのデータベースで検索を行った際にヒットしなかった犬がいたので、公開しない場合もあるのかな、と思っていました。2歳未満の犬だったのかもしれませんね。

ぼくはJKCの会員ではないので(PDでもないんですけどね)陰山先生(PennHIPの講習会で講演されていたと獣医さんから伺いました)の記事というのはよくわからないのですが、前進しているようであれば喜ばしいことですね。

もっともぼくは、「必ず情報を公開すべきだ」とか「ブリーダーは遺伝性疾患の撲滅を第一義的に考えるべきだ」と思っているわけではなく、一般的に言われている「シリアスブリーダー」という言葉の定義(というかそれに付随するニュアンス)にちょっと疑問や矛盾を感じているだけなんですけどね。
自分なりにうまく整理できたらホームページに書いてみたいと思っているのですが、なかなか難しいッス。
そもそも優生思想ってどうなんすか、って大命題もあったりして。

いろいろ教えてくださいね。

投稿者 かえる : 2005年4月17日 01:25

シリアスブリーダーっといっても、日本の場合ほとんどが犬で生計を立てている方ですしねぇ。。。
それから、ブリーダーも遺伝性疾患の撲滅を第一義的だとも思っていないと思うよ。
私は定義なんて改めて考えたことがなかったからなぁ。。。
かえるさんがどんな疑問や矛盾をお持ちなのかわからないのでHPを楽しみに待つことにしますね。

優生思想って?
よくわからないけど、優良な形質を残していこうとすることですか?
犬全体を考えると優劣(いやな言葉だけど他に表現がみつからない)なんてないよね。
だけど、純血種である以上スタンダードにそった優劣があっても仕方がないのかなぁ。。。
もちろんスタンダードには幅があるからタイプの違う犬がいて当然なので、同じ純血種の犬でもある人には優良な犬でも、違う人にとっては優良ではない場合もあるしね。
スタンダードを優と考えると、優生思想ってことになるのかなぁ???
これもまた、改めて考えたことがなっかったからなぁ。。。

いろいろな人と知り合うといろいろな考え方があって、お勉強になるし楽しいですね。


投稿者 MAR : 2005年4月17日 15:46

MARさん、こんばんは。

一般的に今の社会では、優生思想につながるようなことって(主に人間に対してですが)タブー視されてますよね。
でも、そもそも犬の純血種のブリーディングに関わる諸々って(遺伝性疾患を無くしていこうという発想や行為も)優生思想そのものじゃないですか。
つまり、純血種の価値を認めるということは、犬には優生思想を適用しても問題ない(むしろすべきだ)、と考えているということですよね。
ところが、「ラブのスタンダードは....」みたいな話やドッグショーで優劣を決めるといったことを嫌う人は純血種のオーナーの中にも結構いますよね。
これは、純血種とはそもそもどういうもので、何故スタンダードが定められているのか、ということに関する情報が混乱しているからだと思うのです。
遺伝性疾患の撲滅に熱心なブリーダーは「いいブリーダー」だ、というニュアンスが優生思想の肯定を背景としてではなく倫理的に「いい」というイメージで語られることも、混乱に拍車をかけているような気もします。
それからそれから........

などと考えていると、色々混乱してきてこんがらがっちゃうわけですよ。
ぼく自身は、遺伝性疾患は減るにこしたことはないし、スタンダードを考慮したブリーディングは必須だと考えていますが、その理由を人に説明できるように整理するのは難しいということです。
ラブに出会ってからまだ1年半ですから当たり前なんですけどね。
なので、いろいろ教えていただきたいな、という感じです。よろしくお願いいたしますね。

そういえば、リンクさせていただいていないことに気付きました。
リンクフリーとのことですので、リンクさせていただきました。
もし問題がありましたら、お手数ですがご一報ください。

投稿者 かえる : 2005年4月17日 21:48

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