2005年6月23日

都市伝説、的なバー

そのバーは、大久保駅近くの清潔とはとうてい言い難い雑居ビルの中にある。
静かに流れる前衛的なヴァイオリンやアルゼンチンのギターデュオの演奏が途切れた瞬間には、隣のカラオケスナックの喧噪(なぜかアリスを歌う客が多いらしい)が漏れ聞こえてきたりもする。
メニューはなし、看板もでていない。
通りすがりにドアを開ける客は、まずいないだろう。
人気だった渋谷のバーを突然閉めて、数年後にカウンター5席のみのこの店をバーテンダーは一人ではじめた。
そして、彼がその店で供するカクテルはあきれるほど美味しい、らしい........

という噂を聞いたことがあるんですよ、一種の都市伝説ですかね?
と数ヶ月に一度訪れる新宿のバーで話していたら、
「昔からの知り合いの店ですよ」とのこと。
さっそく紹介してもらうことにした。

シンプルなインテリア。
想像とは違い、「気難しい」などということはないオーナー・バーテンダー。
一見すると、特別なものは見あたらない空間で、特別なカクテルが提供される。
美意識の結晶、だけが持つ強靭さ。
いやぁ、ああいうお店ってあるんですね。

店名はスペイン語の方言で「眼鏡」という意味らしい。
都市伝説的なバーテンダーは、当然眼鏡をかけていた。

投稿者 かえる : 00:08 |

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