2005年9月16日

ブルース・ウェバー、再び

ちょっと恥ずかしい気もするのだが、一番好きなジャズミュージシャンはチェット・ベイカーである。
十年近くも前だろうか、彼を題材としたドキュメンタリーフィルム「Let's Get Lost」を見て、ブルース・ウェバーという高名な写真家を初めて知った。
渋谷パルコで写真展を見た際、オリジナルプリントを買おうとしたが、考えていた値段と桁がふたつ違っていることに驚いた記憶がある。
写真を焼き増しするだけなんだから数千円だろう、と思っていたのだ。恥。
アカデミー賞候補にもなったその作品以降も、彼は何本かの映画を製作したようだが、公開されたことさえ気付かなかった。

新作「トゥルーへの手紙」のことはブルータスの特集号で知った。
9.11以降のアメリカと世界に対する不安や当惑、平和への願いを、愛犬トゥルーへの手紙という形で映像化した作品らしい。
彼が4頭のゴールデン・リトリバーと暮らす熱狂的な愛犬家だということも初めて知った。
映画公開に先立ち、本日から青山紀伊国屋跡地で特設ミュージアムがオープンとのことで、会社帰りにさっそく行ってみた。

ところが、今日は初日とあって満員御礼なのか招待客のパーティーがあるのか、すでに受付は終了したとのことであった。残念。
モチーフとなるのが犬とあって、ペットブームをうまく利用したプロモーションがなされているようで、最新号の「RETRIEVER」にまで派手に広告とのバーター記事が掲載されていた。
ドッグラン付きカフェまで併設されているらしいので、かわいいワンちゃんの写真がいっぱい!、と勘違いした愛犬家達が大集合したりしているのかもしれない。
「Let's Get Lost」はとても魅力的な作品だったが(DVD発売して欲しい!)、どうも今回の映画はあまり評判が芳しくないようだ。
かわいいワンちゃんの映像だけを目当てに映画まで見ちゃったりしたら、きっとみんな怒り出すんじゃないだろうか。
退屈で難解で、おまけに暗い映画だと思われます。

とか言って、もちろんぼくは見るつもりなんだけどさ。

投稿者 かえる : 23:54 | つぶやき

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Almost Blue

本日は試験のため渋谷を訪れた。正午前の話である。道玄坂を登ること数分。僕は試験会場に到着した。そこには150人前後が集まっていた。うぎゃぁ〓、なんじゃこりゃ。採用されるのは多くて数人のはず・・・。やる・..

It was Tokyo where I first found myself getting lost : 2005年9月24日 10:14

チェット・ベイカーとブルース・ウェバー

「mirukoの時間」です。ブルース・ウェバーが気に入っているチェット・ベイカーの曲「レッツ・ゲット・ロスト」収録のCDはコレ!

mirukoの時間 ココログ : 2005年10月8日 16:49

FUN×5

「"9.11"と"真実"」

FUN×5 〓五つの楽(fun)を探して〓 : 2005年11月16日 21:01

トルゥーへの手紙

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kumac's Jazz : 2006年7月15日 09:31

コメント

かえるさん

『Let's Get Lost』。
このドキュメンタリーは僕のトップ10ドキュメンタリーに入る事でしょう。
ジャンゴ好きの友達がこのビデオを持っていて、彼の家で観た時の衝撃は今でも忘れません。
コロナを5,6本喰らった後、鑑賞スタート。
爆睡中の彼を横目に、僕はトリップを始めました。
酒、女、ドラッグ、怠慢、家庭崩壊、そしてあのだみ声。
人生を義務や機会と捉えるのではなく、恰もGet Lostするための手段であるかのような彼の生き様には度肝を抜かれました。

そんなチェットの生き様を撮ったウェバーの新作が‘退屈で難解で暗い’と前評判が低いのはちょっと残念です。
しかしながら、「24hオープン北青山TDAパーキング」に1800円投入するよりは、やはり『トゥルーへの手紙』に1800円・・・!?

投稿者 かず : 2005年9月17日 11:25

かずさん
コメントおそくなってごめんなさい。

『Let's Get Lost』はいいよねえ。今回のタイミングでDVD化されるのではないかと期待していましたが、どうもそうはならないようですね。残念。

「退屈で難解で暗い」というは、「かわいいワンちゃんの映画」だと思って見ちゃった人はきっとそう思うんじゃないかな、というぼくの勝手な想像で、そういう下馬評が多いというわけではありません。
そもそもぼくもまだ見てないしね。
ただいずれにしろ、9.11以降のアメリカの空気感から、「犬達と過ごしたあの幸せな日々はもう二度と来ないんじゃないか?」という不安や、「なぜ人間は犬みたいにハッピーにやっていけないんだろう?」という絶望感が映画のベースにはあるみたいですから、本質的な部分では明るい映画にはなりようがないと思います(コラージュされる映像が幸福感に満ちていればいるほど)。
ただ、映像が美しいことは間違いないので、その「犬とともに暮らす幸福」を失うことの恐怖感は、犬好きの人の方が切実に理解できるかもしれませんね。

投稿者 かえる : 2005年9月20日 01:06

本日、やっとブルース・ウェバー展見てきました。
プロモーションのためのギャラリーなので、こぢんまりとしたものでした。
やっぱりこの人は男(それも若くて美しい)を撮った作品が圧巻ですね。
リバー・フェニックスなんてため息でるほど切ないです。
かずさん的にはコッポラファミリーや、スコセッシファミリー&デ・ニーロなどの映画監督を被写体にしたものに興味を引かれるかも。
ミニシアターで上演されているショートフィルムは必見ですぞ。

投稿者 かえる : 2005年9月21日 01:34

かえるさん

おぉ〜!!!
ショートフィルム、ショートフィルム。
観たい、観たい!

よりによって、僕は明後日東京に赴く用事が!
大嫌いな面接というやつですが、ウェバー展観たさに足を運びます。
面接などはさっさとGet Lostさせて頂き、面接後は即刻映画にウェバー展と!!!

投稿者 かず : 2005年9月21日 22:15

かずさん
まあ、今までのフィルム作品のダイジェストをつなげただけ、みたいな感じなんですけどね。
楽しんできてください。
面接も、ご健闘を祈ります。

投稿者 かえる : 2005年9月22日 00:22

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