2006年8月11日

犬なしトレッキング - 硫黄岳〜横岳〜赤岳・南八ヶ岳プチ縦走

山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。

最近読んだ漱石の「草枕」に影響されたというわけではないが、山小屋利用の1泊2日で、南八ヶ岳・硫黄岳〜横岳〜赤岳を縦走してきた。

はじめての、犬なし単独トレッキング。
中腹の山小屋テン場にテント担いであがって、そこをベースに硫黄岳や天狗岳あたりに犬連れトレッキング、というはそのうちやりたいなぁとは思っている。
しかし、八ヶ岳とくに諏訪側の登山口には「犬禁止」の看板が立っていることも多いと聞く。高山植物の豊富な山域だし、そのうち実質的に犬連れでの入山が出来なくなるかもしれない。今のうちにモーと一緒に行っておいた方がいいかも、とはよく思うのだが、2000m以上の山ともなると相当慎重に計画しないと不安も多い。犬連れでの山歩きは、人間だけのそれよりはるかに肉体的・精神的負担が大きい。飼い主に余裕がない状態だと、思わぬ事故の可能性も高まってしまう。
今回はそのための下見、情報収集、予行演習といったところ。
というのは実は建前であって、夏の間は犬連れ山歩きの予定もないので、この機会にある程度アルペン的雰囲気の味わえる山にも一度くらいは登ってみたい、というのが本音である。

そんなわけで、混雑するお盆前に2日間有給休暇をとったものの、直前になって台風7号が接近。仕事もありモーと留守番を余儀なくされた妻は、中止しろ中止しろ、とうるさい。
しかし、「微妙なタイミングだが、台風一過で空気の汚れもとれ大気は安定、むしろ最高の気象条件になるのでは?」というワタクシの強引且つ希望的観測、いやいや冷静且つ的確(??)な予測が見事に的中したのであ〜る。
台風のコースが太平洋側に外れたことにより降雨の影響もほとんどなく、期待通りの山行を堪能できた。
ニホンカモシカとの接近遭遇、トレイル脇を彩る高山植物の数々、横岳のスリリングな鎖場、赤岳山頂直下で拝むご来光、雲上にのぞく富士山のシルエット、赤岳頂上からの360度の素晴らしい展望、etc.etc...........
稜線上の山小屋を利用して硫黄岳〜横岳〜赤岳を縦走する、南八ヶ岳を代表するこの人気コースは、変化に富んでいてとても楽しかった。
なにより、これ以上はないくらいの完璧な天候に助けられ、生涯忘れることはない素晴らしい2日間となりました。

ぼくが憧れているトレッキングというよりは、典型的な日本の登山という感じではあるが、こういうのもまた楽しいものだ。
北八ヶ岳も、いつかは歩いてみたいな。

硫黄岳〜横岳〜赤岳・南八ヶ岳プチ縦走・リポート

投稿者 かえる : 23:13 | 犬連れキャンプ/トレッキング

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mbt shoes egypt かえるリポート 犬なしトレッキング - 硫黄岳〜横岳〜赤岳・南八ヶ岳プチ縦走

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コメント

かえるさん、こんにちわ
硫黄岳〜横岳〜赤岳ですか!!
赤岳からはどちらに下りたのかしら?
昔、11月の雪の直前に登ったのを思い出します。鎖場があって、結構急登でしたが子供たちはスイスイ私より先に登って行きました。行者小屋前のテン場でテントを張りましたが、寒くて卵が凍りました。
横岳は切れていて、なかなか危険な箇所も多いのですよね。
懐かしく思い出します。

北八ヶ岳は飛鳥も連れて縦走した思い出があります。
ああ、いっぱい山の楽しい思い出作っておいてよかったなんて思うこの頃です。
リポート楽しみにしていますね。

投稿者 kaiママ : 2006年8月14日 11:34

いいコース・・・歩いてきましたね。
おいらも行きたいです。
単独行ってところがかえるくんらしい。

八ヶ岳って大好きな山です。
3000メートル超はないけれど、3000メートル級ですからね。

八ヶ岳は僕はなめてかかって、一度大変な思いをしたことがあるのですが、それ以外はいい思い出ばかりの山域です。

投稿者 とーちゃん : 2006年8月14日 22:27

kaiママさん
美濃戸まで車で入り、往路は北沢ルート赤岳鉱泉経由で硫黄岳へ。横岳を越え赤岳天望荘(昔は石室って言ったのかな?)で一泊、赤岳登頂後は文三郎尾根を行者小屋に下り、南沢ルートで駐車場へ戻りました。
けっこう変化に富んでいて退屈しないコースでした。
11月と言ったら初冠雪はしてますよね。相当すごい寒さだったのでは?
行者小屋テン場では、「息子と二人」や家族でキャンプしている人も多く、「モノより思い出」という感じでステキでした。
小学生の体力ってスゴイですよね。横岳でぼくがハァハァやってたら、父親に連れられた小学生が涼しい顔して追い抜いていきましたよ。赤岳の頂上でも小学校低学年の女の子が「おばあちゃん、頂上についたよ!」なんて携帯で電話してたりして、テクノロジーって偉大だなあと思ったりして。
kai家のお子様たちにとっても、一生忘れない素敵な思い出になっていることでしょうね。

北八ヶ岳は、たぶんぼくが好きな雰囲気だと思うんですよね〜。
犬連れにも向いてそうだし。
ところが現在あちらはほとんどダメっぽい雰囲気。
田中知事がかなり冷静だったおかげで、科学的根拠や公平性を欠く条例制定などは控えられていたようですが、今後ははたしてどうなるか......?

今回は犬連れじゃないしどうしようかな、と思ったけど、やたらに写真も撮りまくってきたので自分が後で見て楽しむためにリポートは作ることにします。例によって長いですから、テキトーに飛ばしながら読んでやって下さい。
なぜかちゃんと犬も出てきますよ!、お楽しみに。


とーちゃんさん
南アルプスもいいなあ、とか色々考えたのですが、結局八ヶ岳で一番メジャーなコースにしました。
小屋も多いし、登山者も多い、もちろん情報も多く、何かと対処がしやすいかなあ、と思って。
体力がないから人のペースに合わせられないし(でも無理して合わせようとする)、人が来ないのをいいことに蝶の写真撮るためだけに横岳の岩壁に30分以上張り付いたりしてましたから(しかも結局撮れなかった)団体行動は絶対無理です。
気の合う3、4名のパーティーならいいですが、よく見る寄せ集めの10名以上の団体ツアーって、個人的には単独行よりはるかに危険な気がするのですが、そんなことないのかな?
パッシブセーフティ以前に、まずアクティブセーフティを重視するワタクシとしては。

八ヶ岳って、標高もけっこうあるし、登ってるのは初心者ばかりだけど本来は初心者向きの山とは言えない、とかよく聞きますよね。
でも、ビブリに行くと、よくその姿を見ているので、機会があれば登ってみたかったんですよ。
いい思い出になりました。

2800mとかって3000メートル級って表現していいのですね。
オレって3000m級経験者だからさあ、って今後は自慢することにします。。。

投稿者 かえる : 2006年8月15日 08:55

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