2006年10月28日

晩秋の北八ッ彷徨 - 白駒池〜高見石〜中山〜天狗岳〜黒百合平〜にゅう ・ 犬なしトレッキング

南八ヶ岳を動的(ダイナミック)な山だとすれば、北八ヶ岳は静的(スタティック)な山である。前者を情熱的な山だといえば、後者は瞑想的な山だといえよう。
-中略-
さまよい---そんな言葉がいちばんぴったりするのが、この北八ヶ岳だ。

山口耀久 「定本 北八ッ彷徨」

今年の夏に南八ヶ岳の主稜線を縦走した際、近いうちに北八ヶ岳も歩いてみたいと思った。
八ヶ岳は、一般的に夏沢峠を境に北と南に分けて、その個性を語られることが多い。
荒々しい岩稜の南八ヶ岳、深い樹海に包まれた北八ヶ岳。一方は男性的で、もう片方は女性的。急峻な岩場を彩る可憐な高山植物と、暗緑色の宝石のように輝きながら原生林を覆う苔の絨毯。
3000m峰は一座も存在しないし、山塊としてのスケール感では日本アルプスに及ばないながらも、多くの登山者を魅了してきた理由を考えた時、取り付きやすいコンパクトな山域に、山旅の楽しみがすべて凝縮されていると言っても過言ではないその贅沢さが、ひとつの答えとなることは間違いないであろう。
であるからして、南に登ったら、北も歩きたくなるというのは、まあ当然の成り行きでしょ。

北八ッの魅力的な時期といえば、やはり秋のイメージがある。
北に限らないが、八ヶ岳の山麓は、そのほとんどが原生林伐採後に植えられたカラマツで成り立っているという。
だから八ヶ岳の秋は、広葉樹の紅葉というよりも、それから数週間後に見られる、一面を金色に染める黄葉で名高いのだ。
その見事な色づきは、(やや強引な気もするが......)「八ヶ岳イエロー」と呼ばれているらしい。
常緑の針葉樹と、黄金色に染まる落葉松。
晩秋の「にゅう」からは、それらが織りなす見事なグラデーションを、一望することが出来ると聞いた。
数日をかけて本格的に彷徨うのは、来年以降のお楽しみ。
今回は、その下見として、もっとも北八ッらしいといわれる展望を堪能してきたのであ〜る。

おそらくこの数十年の間に、八ヶ岳は大きく変貌してしまったのだろうけど、山口耀久さんが名著「北八ッ彷徨」に記した言葉は、やはり今もなお正しい。

「にゅう」の眺めはすばらしい。ここに立って、北八ッが好きにならない登山者はいないだろう。

と言いつつ、写真は天狗岳途中からの眺め。
黄葉しているのは、蓼科のあたりかな。霧ヶ峰も北アルプスもよ〜く見えました。

晩秋の北八ッ彷徨 - 白駒池〜高見石〜中山〜天狗岳〜黒百合平〜にゅう ・ 犬なしトレッキング リポート

投稿者 かえる : 23:55 | 犬連れキャンプ/トレッキング

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dpLeBPwM

かえるリポート 晩秋の北八ッ彷徨 - 白駒池〜高見石〜中山〜天狗岳〜黒百合平〜にゅう ・ 犬なしトレッキング

dpLeBPwM : 2014年12月8日 11:09

コメント

やっぱり天狗まで行かれたんですね。
それににゅうまでも!!
凄いなあ。羨ましいなあ。
八ヶ岳の原生林はしんと静かな中にも何故か明るい雰囲気がありますね。そして秋はきっと最も美しい季節。
かえるさんを見習って、頑張ろうかなって思い始めました。もちろん、kaiを連れてなのでどうなることやら・・・ですが。
リポートとても楽しみにしています。

投稿者 kaiママ : 2006年10月30日 00:21

体調や天候によって天狗岳はパス、あるいは黒百合ヒュッテで1泊という計画だったのですが、一人だと気も楽だし体力的にも余裕があるので、がんばって天狗も行ってきた次第です。
もっとも、さすがに日帰りではハードな行程でしたよ。
天狗からの下りは「天狗の奥庭」を通って黒百合平に下りるコースを選んだのですが、これが思いのほか歩きにくい道で.......疲れました。
それにしても、「にゅう」はホントに最高でした。風が強くて吹き飛ばされそうになりましたが、ずっと眺めていたい景観でしたよ。白駒池からにゅうへ至るトレイルもとても気に入りました。もともと今回は、天狗はおまけで、にゅうが目的地でした。ぜひ、また行きたいです。

「秋の北八ッ」というと、雑誌の特集などでも必ず登場しますものね。今回は標高差自体はあまりない周回コースだったので、ルート上の紅葉は終わっていましたが、いつか紅葉の残っている本沢温泉あたりから歩き始めるコースも計画してみたいです。

kaiママさんとの山歩き、kaiちゃんもきっと喜ぶでしょうね。
機会があったらご一緒させて下さいね。

投稿者 かえる : 2006年10月30日 08:34

わ〜〜すごい!!
どんどん制覇してますね。

天気がよくて気持ちよさそう!!

「にゅう」は私みたいな者でも登れるんでしょうか?

投稿者 カンザワユミコ : 2006年11月2日 16:42

カンザワさん

想定していたよりも暖かくて、霧氷などは見られなかったのですが、
諏訪側の展望は抜群で、とても気持ちよかったですよ。
「キノコ汁」も、予定通り美味しくいただきました。

>「にゅう」は私みたいな者でも登れるんでしょうか?
う〜ん、難しい質問ですね。
ぼくのような初心者が偉そうに答えるのもアレなんですけど、「技術的・体力的に可能か?」ということでしたら、たぶん問題ないと思います。白駒池からだと、往き(登り)で約90分ほどですし、標高差も少なく、普通の人では通れないような険しい場所もありません。気持ちのいいハイキングコースと言えると思います。
しかし、そうはいっても山の中、しかも標高2500メートル近い場所ですから、観光地に行くような気分で出かけると、大げさではなく遭難する可能性もあります。装備や服装等万全にして、くれぐれも事故などのないようお気を付け下さいね。
小さな湿原を抜けて、にゅうへ至る森の道は、「これぞ北八ッ!」といった感じの苔苔ロードですから、苔好きのカンザワさんはきっと気に入ると思いますよ。また、にゅうの頂に立って北八ヶ岳の大きな樹海を眺める気分は、格別だと思います。晴れた日には富士山も望めます。
道中の様子は、近日(正確には、そのうち)アップ予定の山行リポートをご覧になってみてくださいな。

もっとも、念のために言っておきますが、今シーズンはすでに冬山期に突入中ですから、無茶しないで下さいね(まあ、ぼくが言うのもなんですけど)。
登山は最強のダイエット法だと言うし(笑)、年内や春に奥多摩の低山などをいくつか歩いてみて、来年の夏や紅葉の時期に「にゅう」に登ってみる、っていうのはいかがでしょう。

投稿者 かえる : 2006年11月3日 00:18

かえるさん、丁寧なアドバイスありがとうございます。蓼科に行ってたものでお礼が遅くなり、失礼しました。

苔苔ロード、歩きたい!!
でもそうですよね、装備は大切ですよね。
来年の春から頑張ってみようかなぁ〜〜。
平野恵理子著の「行くぞ、山歩き」を読んで、山歩きがしたいなぁ…と思いつつ、ズルズルしてましたが!!
来年こそ重くてデカい腰をあげて、山歩きにもチャレンジしてみたい。

道中レポも楽しみにしてます♪

投稿者 カンザワユミコ : 2006年11月8日 17:29

カンザワさん
白駒池〜にゅう、の苔苔ロードはホントにいいですよ。
何というか、「もののけ姫」の世界です。

平野恵理子さん、ぼくも「ハピネス気分で山歩き」は立ち読み(オイオイ....)したことあります。
山歩きの本まで読まれているとは、すでに片足は突っ込んでおりますねぇ。
蓼科なんて絶好の場所にセカンドハウスをお持ちなんですから(ウラヤマシィー!)、いい山選び放題ですよ。
ぜひ楽しんで下さいね。
それで、数年後には「日本酒ソムリエが通う 美味しい山小屋」みたいなご本を出版して下さい!

道中レポは、ひとつ気長にお待ちいただけると...........

投稿者 かえる : 2006年11月9日 00:14

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