2007年7月21日

人生、晴れあり雨あり曇りあり................鳳凰三山〜早川尾根・縦走

今年の夏は、テントを担いで南アルプスの北岳を歩きたいと、昨年八ヶ岳を歩いた時から考えていた。
かの深田久弥は、「日本百名山」の中で「富士山の大通俗に対して、こちらは哲人的」とその性格を評している。
日本第二位の高峰。そして、あの「マークスの山」。

やがて、具体的な計画を練る段階になると、北岳登山計画は「どうせだったら白峰三山(北岳〜間ノ岳〜農鳥岳)縦走をしてみたい」という思いへと変わっていた。
深夜の高速バスで甲府に向かい、翌朝4時の始発のバスで登山口となる広河原へ。3000mの稜線を縦走した後、下山口となる奈良田温泉で汗を流して、もちろんビール。
なんといっても、3000m峰が五つも連なる超高層ルートである。大展望を楽しむためにも安全面を考慮しても、比較的天候が安定しやすい梅雨明け直後の実行が良いだろう。幸い、今年は梅雨明けが早いという予報である。もしかしたら、キタダケソウも見られたりして......
と、妄想全開で6月中から気もそぞろ、心はすでに南アルプスに飛んでいたのだが..........
例年にない残雪の多さで、7月に入ってもアイゼン・ピッケルの要完全冬山装備が広報され、梅雨の雨で雪が溶けることを願う日々が続いた。やがて、ようやくコースによってはアイゼンの必要がなくなったと思ったら、今度はなかなか梅雨が明けない。それでも、「まあでもそろそろ明けるんじゃないの、天気予報でも今年は早いって言ってたし」てなノーテンキな予想の元に、日程は7/19からにほぼ決定してしまった。ところが、そうこうするうちに季節はずれの大型台風と大雨の影響で南アルプス林道に土砂崩れが発生し、無期限の通行禁止措置が敷かれてしまった。もちろん、利用する予定であった甲府〜広河原間のバスも運行中止である。しかし、奈良田から広河原へのバスは、19日から運行再開予定である、とのこと。こうなったら、シメのビールはあきらめて奈良田まで車で入り広河原へ向かうアプローチにするか、と心を決めかけたが、直前に山小屋に確認したところ、大雨の影響で大門沢に架かる橋が流されたという................20日前後には復旧の予定との話であったが、もし復旧してなかったら帰れないじゃん...........白峰三山縦走じゃなくて白峰三山往復になっちゃうかも......................泣泣泣。。。
というワケで、今回はさすがに白峰三山縦走はあきらめました。
結局、奈良田からのバスは19日も運休になったようなので、まあ正解だったのだが............

以上は、長い前置き。以下、本題。

白峰三山縦走は今後の楽しみに取っておくことにして、今回は、夜叉神峠から入山し鳳凰三山・早川尾根と縦走し北沢峠に下る、という山旅を行ってきた。

林道閉鎖で頭パニックとなった3連休は、たまたまモータンはみーたん連れて実家に里帰りしていた。おかげで、まるまる3日間を計画の練り直しと準備に充てることが出来たのだ。
有休も取っちゃったし、なんとその3日間だけは天気予報も晴れマーク!!!(その時点ではそうだった....)、北岳がダメだからといって今さら中止にするわけもないのである。
まずは、夜叉神峠から入山し鳳凰三山を縦走した後青木鉱泉に下って入浴&ビール、という計画を考えた。甲府から広河原へ向かうバスは夜叉神峠を経由していくのだが、先述の通り林道閉鎖のために現時点では夜叉神峠までの往復運行となっている。もしも、もしも当日になって林道の閉鎖が解除されていたらそのまま広河原まで行っちゃえばいいや、とこの期に及んで都合の良いことを考えていた次第である。
でもなあ、鳳凰三山縦走っていうのは、白峰三山縦走と比べると、どうしてもスケールダウンした感が否めなくて何だよなあ........................縦走じゃないけど、北沢峠にテント張って憧れの甲斐駒と仙丈をピストンしてこようかなあ.........................とウジウジしながら地図を眺めていたら、突然発見したのである(見りゃあ誰でもわかるが.......)。
鳳凰三山って、そのまま歩いていけば甲斐駒に繋がってるじゃん......!!!!
甲斐駒へと至るその早川尾根は、ガイドブックによれば「もっとも南アルプスらしさが残った」「ほとんど通る人のいない、忘れられた山域」となんだか魅力的。そもそも鳳凰三山は、白峰三山の絶好の展望台、そして早川尾根から眺める北岳・甲斐駒も絶品だと言うではないか。しかも、13時発の北沢峠からのバスで仙流荘に行けば、一風呂浴びてビールも出来るし、そのまま新宿行きの直通バスもある。
コレだコレ、今回はこれで行きましょ。「憧れの名山、北岳・甲斐駒ヶ岳を(眺めて)堪能する旅」である。

てなワケで、行ってきました。
初めての日本アルプス、初のテント泊山行、初の2泊山行。
極めて印象深い三日間になりました。

「人生、晴れあり雨あり曇りあり................鳳凰三山〜早川尾根・縦走」 リポート

投稿者 かえる : 23:29 | 犬連れキャンプ/トレッキング

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コメント

とりあえず写真だけ^^拝見しました。
ガスがかかった森の木々、雲海(?)と大荷物の山男サン、高山植物、、どれもいいですね〜
中学の時の林間学校、夜叉神峠でした。私の人生で山とかキャンプとかのイメージを心に残した最初の経験の地名をふとここでみつけて、なつかしい〜〜って思ってしまった。鳳凰三山、北岳、南アルプスってけっこう深くて神秘です。

投稿者 ローミー母 : 2007年7月24日 22:35

ローミー母さん

ありがとうございます。
初日のガスがかかった森は、神秘的で本当にキレイでした。なんちゅうか、とてもロマンチックでしたよ。
二日目、雲海に高山だけポッカリと浮いた眺望も、なんとも言えないものがありました。
最終日の、一面ガスに包まれ視界のほとんどない岩場の通過では、さすがに不安にさせられましたけどね。
ローミー母さんの林間学校は夜叉神峠だったんですね。ローミー母の旅人生の原点ですな。夜叉神峠が遙かアラスカに繋がっていると.............なるほど。
ぼくは、林間学校で登山をした時、稜線で下から吹き上げてきた涼風があまりに気持ちよかったことを今でもハッキリと憶えているのですが、肝心の場所はまったく記憶にありません。あれはどこだったんだろ???
ともかく、夜叉神峠付近までなら、犬連れで行くのもいいなあ、と今回思いました。
南アルプスの深い森には、日本の自然の豊かさが象徴されているように感じます。
そうそう、写真は撮れなかったのですが、ライチョウもバッチリ目撃できましたよ。

投稿者 かえる : 2007年7月25日 23:20

かえるさん お帰りなさい!
やっぱり南アルプスはいいですね。深い森の中をただ黙々と歩いた先に、紛れもなく飛び出す稜線。
実は何度も計画しながらも、鳳凰三山は登ったことがありませんでした。ついつい、その先の北岳や千丈岳に呼ばれてしまってね。
リポートを楽しみにしております。
それにしても、下山した時のビールは格別だったことでしょうね!

投稿者 kaiママ : 2007年7月26日 11:30

kaiママさん

何とか無事に帰って参りました。
南アルプスは想像通りに良かったです。深く湿った森がどこまでも続き、北よりも遙かに高い森林限界。荒涼とした高山ではなく、稜線であってもそこには確かな生命の息吹を感じることが出来ました。
まあ、別の言い方をすれば、稜線上でも無数の蠅にまとわりつかれたというか............
鳳凰三山+早川尾根の組み合わせは、なかなかよいですよ。
早川尾根だけだとちょっと地味でマニアックに過ぎるし、鳳凰三山周遊とかだとあまりにもガイドブック的で「山旅」というより「観光」という雰囲気になってしまってちょっとアレですが、組み合わせると気軽に南アルプス北部の縦走ダイジェスト版といった気分にひたれるような印象を受けました。ともかく、早川尾根は変化に富んでいて、すごくイイです。機会を見つけて、再度ぜひ歩いてみたいと思いました。また、鳳凰三山もあれだけの人気があるのにもうなずける気分のいいコースでした。特に、北岳の眺望は素晴らしかったです。
晴れあり雨あり曇りあり。今回は、色々な意味で勉強・経験になりましたので、とても満足しています。
もちろん、下山後入浴を済ませた後に呷った生ビールの味はサイコーでしたよ。

投稿者 かえる : 2007年7月26日 22:15

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